確証バイアスとは？日常に潜む思い込みのワナ

人は、自分の信じたい情報や都合の良い情報ばかり集めがちです。
これが「確証バイアス」と呼ばれる心理現象です。
自分の意見に合わない情報は軽視したり、無視したりしてしまうため、偏った考えを強化してしまうのです。

例えば、音楽の趣味を考えてみましょう。
多くの人は、最初に強い衝撃を受けた音楽ジャンルを一生聴き続けることがあります。
そのため、新しいジャンルにはあまり興味を持たなくなってしまうのです。

これと同じことが、医療や健康情報でも起こります。
「今までの常識と違う！」と驚くような情報に出会うと、それがたとえ根拠が薄弱なものであっても信じ込んでしまい、
他の情報を受け付けなくなることがあります。
こうした無意識の偏りから抜け出すためには、情報の信頼性を見極める力が必要です。

ヘルスリテラシーの重要性

医療や健康に関する情報の真偽を見極め、適切に活用する能力を「ヘルスリテラシー」といいます。
この力が不足していると、健康状態の悪化や医療の質の低下、さらには死亡率の上昇にまで繋がることがわかっています。
世界各国で、このヘルスリテラシーをいかに国民に育ませるかが重要な課題になっているのです。

情報を発信する側だけでなく、情報を受け取る側も、自分の考えを過信せず、冷静に判断することが求められます。
科学的に信頼できる情報を知ったときには、これまでの自分の考えを再評価する姿勢が大切です。

盲信しないための注意点

例えば、二重盲検法やメタ分析、体系的レビューなどの、エビデンスレベルの高い研究結果に基づく医療情報が発表された場合、
こうしたデータは現段階で最も信頼できるものです。
しかし、確証バイアスに囚われていると、「でも、自分の知っている方法が正しいはず」と思考停止してしまいがちです。

一方で、動物実験や比較対象がない報告、追試がされていない研究などの情報は、たとえ衝撃的であっても参考程度に留めるべきです。
特に、不安や恐怖を煽るような情報は、安易にシェアせず、慎重に扱うことが大切です。

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