「腰が痛いのは、骨盤が歪んでいるから！」

こんな言葉を聞いたことはありませんか？

整体やカイロプラクティックなど、さまざまな治療院でよく耳にするフレーズです。

しかし、本当に腰痛の原因は「歪み」なのでしょうか？

実は、この「歪み」という概念には、科学的な根拠が乏しいという事実があります。

この記事では、腰痛の原因が本当に「歪み」なのか、最新の科学的な知見に基づいて詳しく解説していきます。

また、効果的な腰痛治療法についてもご紹介します。

そもそも「歪み」ってなに？

「歪み」という言葉は、私たちの体の中で骨が本来あるべき位置からずれている状態を指します。

特に、背骨や骨盤の歪みが腰痛の原因としてよく挙げられます。

しかし、一体どこからが「歪み」と言えるのでしょうか？

実は、私たちの体は左右対称ではありません。顔の形も、足の太さも、左右で微妙に違いますよね。

骨も例外ではありません。レントゲン写真を見ても、人によって骨の形や位置は様々です。

なぜ「歪み」が腰痛の原因と言われるのか？

「歪み」が腰痛の原因と言われるようになった背景には、いくつかの理由が考えられます。

• 視覚的な効果: 施術者が患者さんの体を触り、骨盤や背骨の位置を調整する様子は、一見効果がありそうに思えます。
• 患者側の期待: 痛みを感じている患者さんは、何かしらの原因を突き止めたいという心理があります。
• 治療家の経験則: 長年の経験から、施術によって症状が改善したという経験則に基づいている場合もあります。

歪みが腰痛の原因？

長年、歪みが腰痛の原因だと考えられてきましたが、最近の研究では、その関係性は明確ではないということがわかってきました。

• 個人の差が大きい：人によって骨の形や柔軟性は様々です。ある人には問題ない姿勢が、別の人には痛みを引き起こす可能性があります。
• 複数の要因が複雑に絡み合う：腰痛の原因は、歪みだけでなく、ストレス、生活習慣、年齢など、様々な要因が複雑に絡み合っていると考えられています。

では、一体なぜ腰痛になるのでしょうか？

腰痛の原因は多岐にわたる

• 筋肉の疲労：長時間同じ姿勢でいる、重いものを持ち上げるなど、筋肉に過度の負担がかかると炎症を起こし、痛みを感じます。
• 椎間板の変性：年齢とともに椎間板と呼ばれるクッションの役割を果たす部分が変性し、神経を圧迫して痛みを感じます。
• 関節の炎症：関節に炎症が起こると、動きが制限され、痛みを感じます。
• ストレス：ストレスは筋肉を緊張させ、血行不良を引き起こし、痛みを悪化させます。

歪みを治しても腰痛が治らない理由

歪みを治す治療を受けたのに、腰痛が改善しないという方も多いのではないでしょうか。

それは、腰痛の原因が歪みだけではないからです。

筋肉の緊張、関節の炎症、ストレスなど、様々な要因が複合的に絡み合っている場合、歪みを治すだけでは根本的な解決にはなりません。

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