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痛みが長引く理由は体だけではない。疾病利得から考える慢性痛との向き合い方

痛みが長く続くと、体の問題だけを探したくなります。
しかし、慢性的な痛みには、心の状態や周囲との関わり方が影響することもあります。
今回は、痛みが定着する要因の一つとして知られる疾病利得について、分かりやすくお伝えします。
・痛みがあることで生活や人間関係が変わった方
・家族や職場に痛みを抱える人がいる方
疾病利得とは何か
疾病利得とは、病気や痛みがあることで、本人にとって何らかの利益が生まれる状態を指します。
利益という言葉を使うと、少し冷たく聞こえるかもしれません。
ですが、ここで言う利益とは、本人がわざと痛がっている、嘘をついているという意味ではありません。
例えば、痛みがあることで、
家族が優しくしてくれる
仕事や家事の負担を減らしてもらえる
周囲が気にかけてくれる
休む理由ができる
無理をしなくてよくなる
ということがあります。
本来は、痛みがある人を助けるための自然な配慮です。
しかし、その配慮が長く続くことで、無意識のうちに痛みを中心とした生活になってしまうことがあります。
ここで大切なのは、本人が意図的に痛みを長引かせているわけではないということです。
痛みは本当に感じています。
ただ、痛みがあることで得られる安心感や注目、保護が、結果的に痛み行動を強めてしまうことがあります。
痛み行動とは、
痛いと何度も訴える
痛そうな表情をする
動くことを避ける
横になる時間が増える
周囲に助けを求め続ける
といった、痛みに関連する行動のことです。
これらの行動に対して、周囲が毎回強く反応すると、脳はその行動を覚えやすくなります。
つまり、
痛い
痛い行動をする
優しくしてもらえる
安心する
痛み行動が強まる
という流れができることがあります。
これが、慢性痛を考えるうえで大切なポイントです。
なぜ痛み行動が定着してしまうのか
人の行動は、報酬によって強化されます。
これは特別なことではなく、日常の中でもよく起こっています。
褒められると続けたくなる。
感謝されるとまたやりたくなる。
安心できると同じ行動を繰り返したくなる。
痛み行動も、これと同じように強化されることがあります。
痛いと訴えたときに、周囲が優しくしてくれる。
痛そうにしていると、責任や負担を減らしてもらえる。
動かずにいると、代わりに誰かがやってくれる。
このような経験が積み重なると、脳は痛みと周囲の反応を結びつけて覚えることがあります。
もちろん、痛みが強いときに助けることは大切です。
問題は、本人が本来できることまで周囲がすべて代わりにしてしまう場合です。
その結果、体を使う機会が減り、筋力や体力が落ちます。
動くことへの不安も強くなります。
そして、少し動くだけでも痛みを感じやすくなります。
このようにして、痛みそのものだけでなく、痛みを中心とした生活パターンが定着してしまうことがあります。
また、慢性痛では、家族や周囲の関わり方も大きく影響します。
例えば、家族が心配するあまり、
動いたらダメ
無理しないで寝ていて
それは私がやるから
と声をかけ続けることがあります。
これは優しさです。
しかし、本人が少しずつ動ける段階に入っている場合、その優しさが回復のチャンスを減らしてしまうこともあります。
大切なのは、痛みを否定しないことです。
同時に、できることまで奪わないことです。
痛みがある人を支えるときは、
痛みは理解する
でも少しずつできることは一緒に増やす
できた行動を認める
痛みだけでなく回復に目を向ける
という関わり方が大切です。
痛みから抜け出すために大切なこと
疾病利得という考え方は、患者さんを責めるためのものではありません。
痛みが長引いている背景を、体だけでなく生活や人間関係も含めて理解するための視点です。
では、痛み行動が定着している場合、どうすればよいのでしょうか。
まず大切なのは、痛みだけを生活の中心にしすぎないことです。
もちろん痛みはつらいです。
無視する必要はありません。
ただ、痛みの話ばかりになったり、痛みがあるかないかだけで一日を評価したりすると、脳はさらに痛みに注目しやすくなります。
そのため、
今日は少し歩けた
昨日より座れる時間が増えた
家事を一つできた
外に出られた
痛み以外の話ができた
このような変化にも目を向けることが大切です。
次に大切なのは、できることを少しずつ増やすことです。
急に頑張る必要はありません。
痛みを我慢して無理をする必要もありません。
大切なのは、安心できる範囲で、少しずつ活動量を増やすことです。
例えば、
短い時間だけ歩く
軽い家事をする
簡単な体操をする
人と会話する
外に出る時間を作る
こうした小さな行動を積み重ねることで、脳は痛み以外の感覚を覚えていきます。
また、周囲の人の関わり方も重要です。
痛いことにだけ反応するのではなく、できたことに反応する。
寝ている時間より、動けた時間を一緒に喜ぶ。
痛みの確認ばかりではなく、生活の目標を一緒に考える。
このような関わりが、回復を後押しします。
ここから整骨院グループでは、慢性的な痛みに対して、痛い場所だけを見るのではなく、脳と神経、心の状態、生活背景、人間関係まで含めて考えることを大切にしています。
マッサージで治らなかった方、骨盤矯正で治らなかった方、長く痛みが続いている方ほど、痛みを体だけの問題として見ないことが大切です。
慢性痛の改善には、
施術
神経調整
運動
生活習慣の見直し
不安の軽減
周囲の関わり方の見直し
を組み合わせることが重要です。
痛みを否定せず、でも痛みに人生を支配されすぎない。
このバランスが、回復への大切な一歩になります。
・本人が嘘をついているという意味ではなく、無意識のうちに痛みを中心とした生活が定着することがある
・改善には、痛みを否定せず、できる行動を少しずつ増やし、周囲も回復行動を支えることが大切
痛みが長引くと、どうしても痛みが生活の中心になってしまいます。
周囲も心配して、できるだけ助けようとします。
その優しさは大切です。
しかし、ときにはその関わり方が、痛みから抜け出す力を弱めてしまうこともあります。
大切なのは、痛みを責めることではありません。
痛みを理解したうえで、少しずつできることを増やしていくことです。
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